マドンナリリーの歴史
Episode
マドンナリリーの歴史
ミノア文明
エーゲ海のクレタ島で栄えた文明で、ミノス王の名前の名前にちなみミノス文明とも呼ばれますが、クレタ文明と呼ばれることもあります。紀元前2000年頃より紀元前1450年頃にミケーネ文明からの侵攻を受け滅びるまで、文明は続いたようです。ミノア文明の遺跡において、マドンナリリーの壁画が発見されているところを見ると、既にミノア文明期にはマドンナリリーは存在し栽培されていたものと思われます。「ユリの王子」と命名されている壁画です。王冠にマドンナリリーの花と孔雀の羽が飾ってあるようです、またユリの首飾りをしていたらしいですが見えませんね。
コピーされた壁画「ユリの王子」。失われた部分と王子の左右にある植物は想像して描かれたものでしょうか。
下の写真は共に、マドンナリリーが描かれています。百合の花はこの文明に好まれたのでしょう、マドンナリリーの特徴がわかりやすく繊細に描かれています。五領ヶ台ガーデンでは、花が10輪咲くことは常にありますが、10輪以上の花を咲かせらることは少ないです。 マドンナリリーの説明文にも「10輪の花が咲きます。」と紹介されています。この時代のマドンナリリーは、現在のものとは違っていると思われます。多くの花を咲かせることが出来る種だったのでしょうね。左側の壁画ではⅠ本の茎より11輪の花を付け、蕾をまだ持っています。
古代エジプト
紀元前2500年頃のレリーフに「百合の香水を作る」というものがありました。しっかりとマドンナリリーだと特定されてはいません。しかし、古代エジプトでは「白ユリ」が生息していました、それはマドンナリリーである可能性が高いようです。もっと調べる必要性があります。
ローマ帝国
ローマ帝国軍団が北部への侵攻する際、兵士たちはマドンナリリーの球根を持っていきました。魚の目の治療薬として使うためでした。戦地に着くと、球根を植えます。花や球根をワインの中で砕き軟膏を作ったと言われています。こうして、マドンナリリーはローマ軍とともにイギリス、フランスなどの各地へ運ばれて行き広まって行きます。
受胎告知
大天使ガブリエルはオリーブの枝を持ち、聖母マリアとの間に花瓶にいけられたマドンナリリーの花が置かれています。天使がマリアに伝えた言葉が文字として書いてあります。「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる。」
マドンナリリーの花を描くことで、マリアの処女性を表しています。「受胎告知」の作品は多く、「エル グレコ」、「ヤン ファン エイク」「フィリポ リッピ」等の画家によって描かれてきました。それらの絵には、マドンナリリーが描かれてきました。聖母マリアのシンボルを協会は、「白いユリ」であるマドンナリリーを認めてきました。マドンナリリーはその輝くような白が純潔の象徴とされました。
サロニカェの発見
第一次世界大戦中、北ギリシアのサロニカ、現在のテッサロキーニという場所でイギリス人兵士によりこの花は発見されました。それまでのマドンナリリーは、「自家不和合性」であり、種子の結実は難しいものでした。この「サロニカェ」は高い稔性(受粉し種子を作ることが出来ること)が認められました。マドンナリリーは種子による繁殖が出来ず、長い間挿し芽等の栄養繁殖を行って来たのでこの発見は素晴らしいことでした。「サロニカェ」の発見により、その後の「カスケード ストレイン」の育種へとつながり栽培が繁殖が容易になっていきます。発見者の名前はアンバー氏と言われます。このアンバーさん、サロニカェが他のマドンナリリーと分かっていたのでしょうかね?それとも、種が着いていたのでしょうか?マドンナリリーについていろんなことを理解できていないと、見つけたユリが今までのものとは違うと伝えていくことなど出来ないと思うのですが………すごい人だなと感心します。

テッポウユリの登場
19世紀後半に日本よりテッポウユリがヨーロッパへ渡りました。テッポウユリの強健性、花の美しさ、温度を調整させて花を咲かせることが可能なことなどにより、教会の催し物等で飾られるユリはマドンナリリーからテッポウユリへ代わっていきました。ヨーロッパに於いて「白いユリ」はマドンナリリーを表していましたが、テッポウユリの登場により庭での観賞用として親しまれるように変化していきました。
五領ヶ台ガーデンで栽培している
日本固有・自生のユリ、外国のユリの
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有限会社 五領ヶ台ガーデン
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