ユリ栽培を始めて今に至るまで
Story
(有)五領ヶ台ガーデンでユリ栽培ができるまで
培養の球根からユリの花が咲くまで
今から20年ほど前、平成15年より(有)五領ヶ台ガーデンではユリ球根の培養を始めました。クリーンベンチ、オートクレーブ、超音波洗浄機、マグネットスターラー等、使い方も知らない機械を、指導してくださる方に教えられた通りに動かして培地を作り、球根を置床していきました。ユリ球根の名前も、特性も、自生地も何も知らず、何故ユリの球根なのかも理解せずに技術だけを身に着けていきました。やがて、培養で作られた球根を土に植えて栽培するようになりました。マドンナリリーは比較的、早くから花を咲かせてくれました。植え方がユリ栽培の初心者である我々に受け入れやすかったのだとおもいます。しかし、日本のユリは球根を植えても芽が出ず、掘り返すと球根は腐っているということが続きました。ユリの栽培方法がわからず、植えては腐らせてを繰り返す日々が続くと球根の植えてある場所へ行くのが嫌で嫌でやめてしまいたいと常に考えていました。それでも、球根を植えて、何故腐ってしまうのか、何がいけないのか考え続け、前年の反省を翌年い生かして行くと、ある年「タキユリ」の花が咲いてくれました。これは、大変にうれしくユリの栽培を続けていく励みとなりました。「タキユリ」に続き「カノコユリ」「ヤマユリ」「サクユリ」「イワユリ」「ヒメユリ」「タモトユリ」「ササユリ」と花が咲いてくれるようになりました。花が咲くことで、栽培に自信を持てるようになっていきます。今から20年ほど前、平成15年より(有)五領ヶ台ガーデンではユリ球根の培養を始めました。クリーンベンチ、オートクレーブ、超音波洗浄機、マグネットスターラー等、使い方も知らない機械を、指導してくださる方に教えられた通りに動かして培地を作り、球根を置床していきました。ユリ球根の名前も、特性も、自生地も何も知らず、何故ユリの球根なのかも理解せずに技術だけを身に着けていきました。やがて、培養で作られた球根を土に植えて栽培するようになりました。マドンナリリーは比較的、早くから花を咲かせてくれました。植え方がユリ栽培の初心者である我々に受け入れやすかったのだとおもいます。しかし、日本のユリは球根を植えても芽が出ず、掘り返すと球根は腐っているということが続きました。ユリの栽培方法がわからず、植えては腐らせてを繰り返す日々が続くと球根の植えてある場所へ行くのが嫌で嫌でやめてしまいたいと常に考えていました。それでも、球根を植えて、何故腐ってしまうのか、何がいけないのか考え続け、前年の反省を翌年い生かして行くと、ある年「タキユリ」の花が咲いてくれました。これは、大変にうれしくユリの栽培を続けていく励みとなりました。「タキユリ」に続き「カノコユリ」「ヤマユリ」「サクユリ」「イワユリ」「ヒメユリ」「タモトユリ」「ササユリ」と花が咲いてくれるようになりました。花が咲くことで、栽培に自信を持てるようになっていきます。
ユリに関する資料を集める
花が咲くようになると、ユリに関する様々なことを知りたいと思うようになりました。手当たり次第に本を読み、資料を集めました。もちろん、インターネット上の情報は集中して探しました。15年前「マドンナリリー」に関する情報をインターネットで検索すると、日本での資料は少なくて内容は同じようなものが多くて困りました。そこで英文にして「madonna lily」で調べるとアメリカ人シンガーの「madonna」さんに関することばかりがヒットしました。それでも「madonna lily」で検索して、初めから5ページ目辺りから「madonna lily」に関する情報が少しずつ出てくるようになり、イスラエルの方のサイトにたどりつくことが出来ました。ブログ形式で「madonna lily」のミノア文明の壁画、ギリシア人が侵攻の際にもっていったことなど詳しく紹介していました。日本のサイトでもギリシア人が侵攻の際に持ち歩いたことは書いてありましたが、より詳細な情報を得ることが出来、とてもありがたいサイトだったのでプリントして今でもファイルに綴じてあります。2021年にイスラエルのサイトを検索して探しましたが、見つけることができませんでした。すでに閉じてしまったのかもしれません。とても残念ですが、プリントして手元に残して置いてよかったと思っています。この資料は貴重な文書として大事に保存しておきます。また、ユリに関する書籍は少なくて、1971年に発刊された清水基夫著「日本のユリ」は情報量が多く書かれている内容は多岐にわたり、大変参考になる本です。突然変異で発生したユリの花や自然交配で発見されたユリについての記述も多く困ったときは「日本のユリ」を読むことで問題解消できます。
高冷地での栽培
富士山の麓に、(有)五領ヶ台ガーデンの夏用の農場があり、夏は湿度、温度が低く涼しい場所なのでユリの栽培に適していると思われユリ専用ハウスを建てることにしました。ハウス内では、平塚に比べ約1ヶ月遅れてユリの花が咲きます。8月になってもユリの花を見ることが出来て、平塚で実らなかった種を、高冷地で交配させることもでき有難い場所です。ハウス内での場所が狭くなり、ハウスの外でもユリを植えるようになっていきました。球根を植えて2年目くらいまでは、萌芽して花も見せてくれますが徐々に芽の数が少なくなり萌芽をしなくなりました。富士山の麓は、遅霜が降ります。4月のはじめころに萌芽して、「今年も花が楽しめるかな。」と思って楽しみにして5月になって観察に行くと芽がなくなっていることが何回も起きました。最近では、イノシシが出現し、ユリハウスには電気柵を設けていますが、ハウスの周辺は土が掘り上げられてしまっています。地面に植えたユリの球根も途絶えてしまいました。そして、冬場のハウス内へのネズミの侵入が多くなってきています。2021年春は、中国のユリロストルニィが食害を受けてしまいました。高冷地での栽培が困難になりつつありますが高冷地における夏の気温と湿度には魅力があるので、よりよい方法を模索しながら栽培ができるように努力を続けて行きます。
県立花菜ガーデンでの展示
2016年より神奈川県立花と緑のふれあい公園「花菜ガーデン」より、声を掛けていただきユリの花を展示させていただいてます。
2016年度 タキユリの展示を始める
2017年度 マドンナリリー展示が加わる
2018年度 タキユリ、マドンナリリー
2019年度 カノコユリ、ヤマユリ、サクユリが展示に加わる。
2020年度 ベニスジを加える予定でしたが、コロナウイルスのために閉園
2021年度 オニユリ、オウゴンオニユリの展示が加わる
年々展示種類数を増やしております。おかげさまで、ユリの鑑賞を目的に来援されるお客様がおられるとうかがい、大変ありがたいと感謝してます。毎年、展示数を増やして来園される皆様の期待に答えられるように努力してまいります。
平塚でのユリ専用ハウス建設
2019年には、持続化補助金を頂いて川沿いの風通しの良い場所にユリ専用ハウスを建設しました。それまでは、ハウス外の涼しい場所、日陰の場所等を選んでユリの球根を発泡スチロールの箱に植えて2年毎に植え替えていました。この植え替え作業には手がかかり、とても2年に1回の植え替えをすべて行うことが難しくなってきていました。そして、発泡スチロールの箱では、栽培数に限度が出てきます。大量に球根を育てることを考えると地面に直植えが望ましく、一度植えておくと管理が楽でもあります。パイプのみをかまぼこ型に組み立て、パイプの上には4月から10月中旬まで50%遮光のネットを乗せた簡易的なハウスを100坪くらいのサイズで建設しました。培土は水はけの良いものを入れて、2021年春より栽培を始めました。経過は良好と感じます。2021年秋には、現在のハウス南側にもう1棟ハウスを建設し、高温でも栽培ができるユリを新ハウスで育てていこうと考えています。
これからのユリ栽培
今、ユリと言って思い浮かぶのは多くの方が「カサブランカ」のようなF1品種でしょう。これはとても悲しいことです。日本は15種類の固有種、自生種のユリが自生する国でした。残念なことに、里山がなくなりつつある現在多くのユリが姿を消しています。神奈川県では、「ヤマユリ」は県の花に指定されています。しかし、目にできることが少なくなってきています。有害獣による食害、除草剤の散布によって球根が消えてしまう、コンクリート舗装されて球根が消えてしまう。イノシシ、除草剤、コンクリート舗装、全て必要なことですし仕方のないことです。大事なことは、多くの人の身近にユリを感じられなくなってきていることでしょう。五領ヶ台ガーデンでは、「花菜ガーデン」での展示とともにホームページを媒体としてユリに関する情報を掲示していきます。故郷に咲いていたユリがここにはある。「花菜ガーデン」に行くと故郷に咲いていたユリを見ることができる環境を作って行きます。希少なユリの球根を保持し、花を展示して、どこを探しても見つけられないと思うようなユリ球根が五領ヶ台ガーデンにはあるとなれるように努力してまいります。
五領ヶ台ガーデンで栽培している
日本固有・自生のユリ、外国のユリの
情報を発信しています。
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有限会社 五領ヶ台ガーデン
TEL 0463-58-4187
事業内容 / 鉢花、花ポット苗、野菜ポット苗生産